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プロに聞く、断熱リノベのススメ Vol.3

リノベの教科書

プロに聞く、断熱リノベのススメ/Vol.3 フロッグハウス様

団地リノベのススメ。断熱性能の向上で、毎日の暮らしが健康で快適に。

いま、住まいのリノベーションが注目されています。古くなった壁や床を新しいものに張り替えるだけのリフォームとは異なり、リノベーションではライフスタイルに合わせて間取りも大きく変更することができます。古い団地やマンションを購入し、間取りも含め自由に改装するのが、最近のトレンド。壁を抜いて2部屋を1部屋に変えたり、キッチンスペースを広くしたり。住む人の個性が反映でき、コストも抑えられるところが人気のようです。結婚や出産で家族が増えたファミリー層、子育てを終えた中高年、さらにはシングルライフ満喫派が、ライフスタイルに合ったリノベを楽しんでいます。そんな時代、工務店は施主の要望や社会のニーズに、どんな答えを出しているのでしょう。どんな付加価値を提案しているのでしょう。リノベーション専門の工務店として、いま大人気のフロッグハウス、清水代表にお話を伺いました。

フロッグハウス
清水大介 代表

施主の声を聞き、社会の動きを感じながら、団地のリノベーションを手がけるフロッグハウス。

創業時に、掲げたミッション「眠っている資源を再生して、地域で新しい風を起こす」。

会社を立ち上げて最初の仕事が、団地でのシェアハウスでした。当時はリノベーションという言葉も知らずにはじめた事業でしたが、使われていない不動産を活用し、地域に新しい風を起こしたいというのがベースにありました。仕事を続けるうちに気づいたのですが、私たちがずっと大切にしてきたことが、実は当時世の中で注目され始めたリノベだったのです。団地を購入し、内装をきれいにして、シェアハウスとして貸し出す。運営まで含めてワンストップの事業。ビジネス的には成功とは言えませんでしたが、物件の見た目の変化には大きな反響がありました。こんなに変わるならうちもやってほしい!空き物件を改装してもらえないか?賃貸業者さんからもご依頼をいただくようになりました。それまで自身が職人として働いてきたこと、個人事業者として内装工事を請け負ってきたことなど、工務店としての下地があったことがここで活きたのです。とくにPRしたわけではありませんでしたが、オープンハウスをご覧になったお客様からのご依頼。この経験は、リノベ物件をより多くの方に見ていただき、快適性能を実感いただく、現在のスタイルにもつながっています。

設計から現場まで一人のスタッフが担当するのも、うちの特長でしょうか。一般的に建築の業界は、分業でやっているところがほとんど。自社でやるにしても、営業と設計、施工管理(監督)が分かれている。しかし、この方法だとうまく行かない場合があります。その場で判断しないといけないことも多い、仕様を変更するにしても、施主へすぐに説明できた方がいい。コストをかけずスピーディにやろうと思うと、分業は非効率です。ワンストップで施主の話を聞くことができれば、さまざまなことがスムーズになる。予算の話もしやすい。それによって、どこを削り、どこを残すか、そういったデリケートな話もその場で交渉できる。スケジュールの管理なども同じです。

デザイン面と使いやすさ、随所に工夫をこらしたリノベーション。

お客様の声を直接聞いて、プランを考える。相談はもっとも大切な時間。

お客様のニーズは千差万別。これまで100戸以上のリノベを手がけてきましたが、同じものは一つもありません。当然ですが、家族構成も年齢も、間取りや仕様も、住まいに求める想いも予算も違います。毎回オリジナルな提案にならざるを得ません。お客様と一戸一戸組み立てていくような作業。団地ってどこも似たような間取りですし、内装や構造もだいたい同じなので、ある程度は雛形のようなものを造れるのではと思っていたのですが、そんな単純なものではありませんでした。お客様の要望は、全部叶えてあげたいと思いますが「暮らしの質」については譲れない部分です。できるだけリーズナブルにと予算を優先して断熱をあきらめた結果、カビや寒さに耐えられない、ということは避けたい。私たちが質の大切さを謳っているのは、「団地リノベのあり方」を追究する中で、その経験から出てきた一つの答えと言えます。そのことが評価されたのか、リノベーション・オフ・ザ・イヤー2023で、「800万円未満部門最優秀賞」「PLAYERS CHOICE」の2冠を頂きました。とくに「PLAYERS CHOICE」は、このアワードにエントリーした事業者が互選で選ぶ賞。リノベーションの実践者たちが、プロの厳しい目線で選んでくださったことは、これまでやってきたことへの、自信と誇りにつながっています。

家事動線に優れたキッチン。リノベーション・オフ・ザ・イヤー2023で2冠の「団地ぐるぐる」。

予算的に厳しくても、断熱だけはした方がいい。施主様の満足率は100%ですから。

冬の寒さや不快な結露をなんとかしたいと、相談に来られる方が増えてきました。外部環境が変わってきたからでしょうか、特にここ2、3年はその傾向が顕著です。これまで予算との兼ね合いで、断熱は後回しにされがちでしたが、SDGsの考え方が広まり、電気代が高騰し、健康のことを気遣うようにもなりました。さらに窓断熱などに補助金が付くようになり、今や、断熱しないなんてもったいないとさえ思います。結果論になりますが、うちのお客様で、断熱施工をして後悔した人は、一人もいません。これまで住んでいた住宅との差を、日々身体で実感できるためでしょうか、断熱しておいて良かったという声が圧倒的です。この間取りならこの部屋が絶対寒くなるとか。このあたりの壁が結露するとか、カビも生えているし断熱しておきましょうとか、場数を踏むことで私たちの中でも確かな提案ができる経験値が高くなってきました。それが、説得力につながっているのだと思います。

ペアガラスの内窓。断熱効果だけでなく、遮音効果も。

外に面したすべての壁に断熱材を入れることで、冬でも暖かく過ごせる快適な住まいへ。

壁に断熱材を入れ、熱を遮断。快適さだけでなく、空調費も抑えられる。

本来なら春に咲くはずのカンガルーポケットの花が真冬に咲いたそう 。
(フロッグハウス様HP 依頼者インタビュー より)

今回取材させていただいたフロッグハウスについて
» 株式会社フロッグハウス

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